2019-10 (Oct 2019)

インタビューワーが日々感じていた香りや、味わいの表現がワインと共通するところもあり、興味を持ち熱海で過ごした斧さんと、移住をした加藤さんにコーヒーのことを聞きたいと思い今回対談形式にさせていただきました。

「coffe house茶々」斧あやさん(以下、(お))、「QUARTO」加藤麻衣さん(以下、(か))

今日はよろしくお願いいたします、加藤さんはバリスタ?斧さんは焙煎師さんと言う職業でよろしいですか?

(か)(お) バリスタや焙煎師は役割名であり、職業名ではないんです。焙煎師はロースターと呼ばれ、バリスタはイタリアンバールが正式名で店長になります。焙煎士もバリスタも業務する名前として使われているんですよ。

お二人の簡単な経歴から話を進めます、斧さんは大学卒業後にいろいろな職を経てコーヒーの道に進んでいる様ですが、実家の喫茶店のお店もあるし子供の頃からこの仕事をしていたいと思っていましたか?

(お) 子供のころから今の職業に就きたいとは思っておらず、実家の喫茶店の片隅で宿題をやっているのが日常でした。この職業に就きたいと思ったのは数年前から思い始めたんです。

Coffe House 茶々 斧あや

加藤さんの今までの経歴ですが、イタリアンバルから、コーヒー焙煎メーカーに勤務したりと熱海に来るまでコーヒーの世界一筋だったようですね。現時点での着地地点がバールになっていますが、やはりバールに魅力があったのですか?

(か) 小さいころからではなく、たまたま働いたイタリアンバールで、コーヒーを入れるのが楽しいなと思うようになったり、そのスタイルとしてバールってこんなんなんだ~!サクっとイキな感じがいいなと思ったのがきっかけで始めました。

99度の創業支援に参加していましたが、大きく変わった切っ掛けになったのでしょうか?

(か) 結果的にといった感じでしょうか。99度に参加するのが目的でなかったので、その前から熱海に来ようと思っていた矢先に99度が始まったので、1期性として参加しました。

その99度に参加して、熱海はいいな!やはり熱海で仕事がしたい!と感じることができました。何が変わったというわけではないけれど、そのタイミングを頂けて良かったです!

QUARTO 加藤麻衣

熱海に来ようと決めたのはいつ?

(か) 熱海で自分で店をやりたいと思い始めていた時に、過去の勤め先での開業までのフォローしている内容(経験)を思い出し、あ、自分も起業したいな!と思いました。2015年2月に熱海市内で開催された「ぶっちゃけ熱海起業トーク」にて講話をするのをきっかけに、やはり熱海で自分も起業したい!と公の場で発言し、熱海での起業を目指し始めました。

斧さんはなぜ焙煎師の道へ? 斧さんは小学校の先生になりたかったと聞いたことがありましたが。

(お)小学校の先生になりたく、以前から塾の先生をやったり、今は近所の子供たちに英語を教えています!

加藤さんは子供の頃はいろいろ夢が多かったようで、メロン屋さんからなぜ熱海でカフェを?

(か) 小さい頃から興味を持ったらすぐに「この仕事する!」と、決めつけていました。子供の頃は「メロンソーダー」が大好きで、メロンソーダーはメロンからできているものだと信じ込み、「メロン屋さんになる!」と心に決めました。その後、ゴルフを見た時に親から「プロゴルファーになればお金持ちになるよ」と言われると「プロになる!」とゴルフ遊びに夢中になったり、興味をもったら直ぐに手を付けるなど、たくさんの夢がありました。 

コーヒーの種類と産地をどのように覚えていますか?

(お) テストの前に一度頭に情報を入れ、気に入った豆などがあったときに、更に深く情報を収集して、知識を入れる努力はしています。特に農産物になるので、農産地の細分化されてくる情報、トレーサビリティ、安全性の情報収集などを特に注意したりもしています。

コーヒーの淹れ方やその方法の種類(得意、不得意)について教えてください。

(お) コスタリカ、ドミニカ、エルサルバトルなどが大好き!
(か) コスタリカ、パプアニューギニア、エチオピアなど自分がブレンドしてみて好きでした。

コーヒー豆の栽培は、紛争地域が多かったり、地震や津波など被害が大きくでる都市で栽培されているので、たくさんの人が収穫に携わっているのがとても素晴らしいと思いました。

コーヒーも豆による味わいの違いのテースティングはしているのですか?

(お) ローストの段階で味は変わり8段階あるので、テイスティングを必ずします。
(か) 豆を買うときにカッピング(テイスティング)を必ずするので、味の表現も必要になるんですよ。

(お) その味わいの表現をするので(コーヒーマイスターの上のアドバンスドを取得)、表現力を身に着けないといけなくて、自分の知っている香りをどう表現するかや、その香りをどうプラスになる方向で表現を変えるかなどの力をつけている最中です。

自分が最初に感じた香りの記憶を薄れさせない様に、自分が感じた際の香りの記憶を自分の表現で留める必要もあり、他の人が発する言葉や、英語で表現することもある為、表現力をどう身に着けるかを同業者だけでなく、異業種の人との会話も必要なので、なるべく外へ出て、他の人の会話を聞いたりもしています。

(か)豆を選定した際の香り、ローストした際の香り、淹れた際の香り、で、大分香りが違ってくる場合もある。全て最初の香りのままとは限らないので、どこでどう変化があるのかや、淹れ方によっての雑味も踏まえての香りを考え、豆の選定をする場合もあるんですよ。

なるべく雑味が出ない様に、1粒1粒を選定しています。・・・が、何百粒の1粒をはじききれない時も時々はあったりもします。そんな時は失敗・・・となり、再度、選定をし直します。

熱海の水はもともと美味しいので、熱海の水でのコーヒーは美味しくできるのではないでしょうか?硬水などはエスプレッソに適していると思いますが、熱海の水は本当においしいですよ。

仕事に対するこだわりを教えてください。

(お) いろいろな場所へ(外)へ出ていかないといけない!と思います。情熱大陸など見ていると、TVでやっているのはほんの一部だけで、もっともっとすごく苦労をしていると思います。

自分はこの業界に入り始めたばかりで、苦労などまだまだしていない方だと思う。自分がこの先どう進むか?というのがとても重要だと思うので、プロへの道のりなど考えても程遠いです。実家の喫茶店があったけれど、自分で勉強しようと思った時がスタートだったので、まだまだです。

(か) 継続するのが苦になるのはダメなので、今楽しい?これからどうする?と、反省をしながら向上する気持ちを常にキープする様にしています。ライバル意識は他店にはないけど、過去の自分にはライバル心はあり、常に前に進む様に、日々、過去の自分と照らし合わせている自分がいます。

青年部に入って良かったことを教えてください。

(お) 仕事の仕方、営業の仕方がとても勉強になりました。今まで出入りを考えていなかった、旅館や土産物屋さんとのつながりができました。
(か) 自分一人だと中々繋がれなかったけれど、今まで何となく顔は見たことあるけど、話すことが無かったので、その方達と知り合いになれたのが良かった。何かの時にSOSが発せられるとか、紹介できるお店(旅館や飲食店など)が増えた。

今後の熱海に期待することは?

(お) 熱海の活性化、道の駅を作り、たくさんの人が街全体に流れる仕組みとか欲しいですね
(か) 時代やニーズに合わせて20年後も30年後にもっと発展していくのがベストですかね。

お二人の今後の目標は?

(お) コーヒーの味を見極めること!
(か) 常にベストであり続けること。今まで何かミッションをやり切ったら「やった感」はあったけど、「終わることのない事を店として始めたんだな~」と続くミッションがあるな!とは思います。ディズニーランドの様に完成しない!を目標としています。

最後に、あなたにとってコーヒーとは?

(お) 国のこともそうですし、チョコレートと似ていて、チョコレートを食べたことのない子供がカカオを収穫していたりと、コーヒー豆を作っている人が美味しいコーヒーを飲んだことない人もいるので、国の情勢や世界を知る機会を増やしていきたいです。

(か) 今の段階ではコーヒーを嫌いになることはない。相棒ですからね!常に一緒にいる相棒のような、そんな感じです。

お二人の活躍に今後も目が離せないですね!! 今日はありがとうございました。

インタビュー  石和宏深

Coffee House 茶々
413-0021 熱海市清水町11-11
Instagram

caffè bar QUARTO (クアルト)
413-0013 熱海市銀座町10-19
Facebook Page